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◇Hydro Flexの最高傑作セカンドボード
:ロングでサーフィンする波のコンデションであっても、これなら”軽快に”サーフィンオーケー!

Bogie Fish・・・波の小さい場所のヨーロッパで開発されたボードデザインで、Bufoがカリフォルニアに来てから、さらにバラエティーに富むコンデションに対応させるべくボードシェイプを改良したボード。
Hydro Flexのシェイパー兼開発者のBufoは、もともと波が小さいドイツやオランダのエリアで育った。 彼は、レトロ&リラックススタイルというよりも、パフォーマンス重視のサーファー&シェィパーなので”波が小さくても活躍するボードが欲しい。でもレトロフィッシュのような鈍重な動きのボードには乗りたく無い“という心の奥にあるその要求を満たすボードを作り出す。このBoogie Fishもその彼のマインドが、ボードの芯に入っているのだ。
シェイパーのBufoによれば、このボードデザインの工夫のポイントは3つ。この3つのデザインが、重いレトロフィッシュボードとの圧倒的な差別化をした。

@アウトラインカーブ(特にノーズ付近とテール付近)を強めたデザイン。
A水の流れを最大限に考え、現代最新理論のハイドロダイナミクスを利用したボトムコンケーブ。
B浮力とコントロール性を考えた、レールフォイル。
1のアウトラインだが、通常のレトロはストレートラインが強めだ。そのためにスピードは出るのだがカーブラインが少ないために、走るけど曲がらないボードになりがちだった。これに反して、このBoogie Fishはターン性能に影響が大なノーズ付近とテール付近のカーブを強めにしている。センターのアウトラインは、スピードをキープするためにストレートにしているが、ターン性能に影響を及ぼすノーズ・テールはカーブを強めた。そのために、ボードのターン性能が高まっているのだ。
そして2のボトムコンケーブについて。Boogie Fishはレトロ系のようにフラット〜VEEとはせずに、ロッカーを調整してシングル〜ダブル〜VEEのモダンコンケーブを入れている。
最後のレールだが、ボリュームを持つフラット気味のデッキに対して、レールをキュッと落とすダウンレールを採用。これにより、ボードの反応・スピードが高くなった。
さあ、このBoogie Fishどんな動きをしてくれるのだろう。
Day 1
場所:千葉 弊社前
風:ゆるいオフ
波のサイズ:膝〜もも
波の質:綺麗に割れるが、力無い弱めの波

さて、テストの第一日目は夏が感じられるようになった7月。まだ梅雨が明けていない時期だったのだが快晴で、梅雨の中休みといったところ。コンデションは波のパワーは無いが、天気は最高。ゆるいオフショアが吹いている。
今日はどこも風が合っていたので、弊社の前のビーチでテストをすることにした。このポイントは人がほとんど入らないシークレット。波はあまり良くないが、今日のような風がマッチする状態で、小波であれば思ったより楽しめるのだ。
ワックスを塗って、早速パドルアウトをする。7月なのに先日吹いた南風の影響があってかまだ水が冷たく、フルスーツ。だけど天気とあいまってカリフォルニアのような雰囲気さえ感じる。
パドルをすると、レトロボードとは全く違ったフィーリングを感じる。レトロのようなボード自体の重さは全く無く、通常の幅広・厚めのショートボードのようなパドルの感がある。素材もHydro FlexのSuper Chargerバージョン(空気を入れて、フレックスを調整するタイプ)なので、軽く・反応も高い。今日のフレックスは2 pci(標準)とした。

今日は小波なので、すぐに沖に出た。人は俺だけ。小波系のサーフボードをテストするには十分過ぎるコンデション。
早速レギュラーに乗れる波が1本来た。パドルをすると、ボードの浮力が高いのでスーッと簡単にボードが走っていく。波の力が無いのに、圧倒的なテイクオフだ。
ボードが走って、スタンドアップする。この手の厚めのボードにしては、スピードの乗りが素晴らしい。
レトロチックな幅広・厚めのボードに乗っている人で、以下のように感じたことのある人は多いのではないだろうか?
“浮力はあるのだがなんだか走ってスタンドアップする際にボードの滑り出しが遅い??えええ〜浮力って、テイクオフとはまた別物なんだ”
俺は、以前重い重量のレトロツインでそのように感じたのだ。
テイクオフは早いのだが、走った後にスピードに乗せるのが難しい。スピードに乗ってしまえば良いのだが・・・と感じたのを良く覚えている。その後、レトロ系のツインフィンは難しいというイメージがあり、ショートボードに慣れているサーファーは
”レトロツインってこんなに分厚くて、浮力があるのに、何で走り出しがあまり良くないの???“
と思うことがあるだろう。僕はそのフィーリングで、一気にレトロツインに萎えてしまっていた覚えがある。だから、このBoogie Fishも同じかもなんて考えていた。
だけどこのBoogie Fishはまるで別物。レトロフィッシュでは無い。レトロフィッシュをさらにモダンにしたモダンフィッシュだ。とにかく走り出しが良く、そして軽いのだ。
さて、その激早のテイクオフを終えてボードを走らせてみる。これほどの厚めのレールを持つボードにしてこの軽快感はないだろう!というくらいに軽めにボードが走っていく。
しかも、その軽さとあわせてスピード感が抜群。通常は厚くて絶対に走りそうも無いセクションだって走り抜けていく。嘘のような話だと思ってしまうが本当なのだ。軽く踏み込んで上げれば、どんな場所でもグリグリとして走り抜けてしまうのだ。この走りの性能は、Hydro Flexの軽さ・フレックス・そしてシェイプが関係しているのに違いない。最高のバランスを持ったボードとこの時に確信した。
そして、最後に波がクローズするので当て込みを試みる。当て込み前のボトムターンでも、ボードのスピードが落ちずにボードのノーズがキッチリと波の上に行ってくれる。
ちょっとここで注目なのが、当て込み前(つまりボトムターンの時)のスピードのキープ能力だ。 僕は基本ボトムターンの時にボードスピードが落ちるボードは嫌いだ。たぶん、皆嫌いだろうと思う。どんなに動くボードでも、ボトムターンで失速しては一般サーファーは意味が無い。ボトムターンの時には安定してスピードを溜め込めるボードが、我々が扱いが簡単・イージーな良いボードの条件だと思う。
いくら動いても、ボトムターンで安定しない(スピードをキープ出来ない)ボードってたくさんあると思う。ボトムターンでトップに向かう際にスピードが落ちてしまうボードだと、せっかくトップで当て込みが出来るタイミングでも、トップにボードが上がっていく段階で失速してしまう。そして結局当て込みが十分に出来ないのだ。
逆にボトムターンで一度ターンの体勢に入って、そしてスピードがキープできるボードは、ボードがトップに上がる際にボードスピードが落ちないので、トップアクションが自分の思い通りに行えるのだ。
ボトムターンで溜める→トップでポップ (跳ね返り感があること)
というのが良いボードのイメージ。これはカリフォルニアはサンクレメンテのある世界的なシェイパーも言っていた。ボトムターンでは溜められて、トップではルースに動かせるボードが最近の傾向だと。 Boogie Fishは、さすがに最新のシェイプなのでボトムで溜めて、トップでルースな感覚がまさに得られるのだ。このボード、すごいと思った。
いきなり好感触なボードなのがわかったBoogie Fishだが、バックサイドでのサーフィンはどうだろう?
ピークで波を待つと、バックサイドに行ける波が入ってきた。まずはパドルを波にあわせて、やっぱり素早いテイクオフ。テイクオフがとても早いボードなので、1テンポ早く波に乗れるのが嬉しい。

波は少しWalled Up(一直線でダンパー気味)していたので、軽くアップ&ダウンをしてセクションを抜ける。どんなセクションでもグイグイ走るボードの性格を持つこのBoogie Fishは、ダンパー気味なセクションでも一度走らせてしまえばどんどんと走っていくのだ。
2〜3回アップ&ダウンをすると、すぐにクローズアウトセクションがやってきたので、ボードを押さえ、ボトムターンをする。そして最後のクローズアウトセクションに当て込む。
”バシーン“
と音が聞こえてきそうな縦の当て込み。ボトムから縦に上がる際のスピード、クイック度合い、そして切れはツインフィンバージョンのボードとはとても思えない。クイックかつ軽いのだ。
その後は多くの波に乗り、特にフラットセクションでもスピードが落ちないその性能を十分に堪能した。
もともとこのボードは小波系と考えられがちなのだが、もう少しサイズのある波だとどうなんだろう?やっぱり使えないのかしら・・・?
そう思った方は、次のいい波でのテストのインプレを読んでいただきたい。
次のインプレは、シェイパーのBufoも加わり、カリフォルニアでのバレルありセッションだ。
Day 2
場所:カリフォルニア Carlsbad
風:ゆるいオフ
波のサイズ:肩〜オーバーヘッド
波の質:少しだけ水が多いが、バレルありのグットコンデション

さて、今回のインプレは波が良い時のものだ。通常短いフィッシュボードは波が大きくなると使えない?と思われがちだが、ボードバランスがすべて。短くてもその対応幅の広さはこのBoogie Fishの特徴だ。今回はその実力をまざまざと見せつけられた。
さて、Day2インプレはカリフォルニアのCarlsbad。あのテイラーノックスの出身地で、素晴らしいサーファーを数多く出している土地だ。町自体もこじんまりとしてとても綺麗なビーチフロント。波は隣町のOceansideよりもメローな波が多いが、コンデションが整うと素晴らしい波が割れる。今日はそのコンデションが整った日の1つだった。
南からのうねりがヒットしたState Beachで、朝からHydro FlexのEd SantosとBufoと一緒に波乗りをする約束をする。朝7時に駐車場に集合した。

ボードは僕とBufoがBoogie Fish、EdはUglyというBufoの新しいシェイプだ。近くでは最近BufoのチームライダーになったCharlie StevensがBoogie FishとFiber Jetを使う。
波は時折スピットが出るほどのチューブありの波。いい波である。不安はこの短い5’5”というボード+丸い形状のデザイン。日本の皆様のイメージだと、たぶんこのボードではオーバーヘッドのコンデションは無理!と思う方がほとんどではないか?
僕も同じく果たしてBoogie Fishで大丈夫なんだろうか?とも考えたのだが、シェイパーのBufoもBoogie Fishだし、そのボードの懐の深さに自信満点。だから、それを信じることにした。 後には、世界的な発明をするシェイパーの言うことに嘘は無かったと解る。ワールドスタンダードなボードデザインは、我々の想像を超えるのだ。
早速ワックスアップして、アウトへと出る。ピークへ着くと、思ったより波が大きい。でも、このBoogie Fishはとてもソリッド(安定している)なのでパドルや波待ちしている時には不思議と不安が無くなっていた。むしろ、すでにこのボードはマジックボード的になっているので自信すら感じながら余裕で波を待てる。
さて、混雑の無い海の状況だったので、自分で選べるいい波・乗れる波が来た。頭くらいの波だ。パドルを前回にして、早めのテイクオフで波に乗る。 掘れている波なのだが、安定しているテイクオフで波に乗る。いい感触だ。しっかりと安定したテイクオフを見せた。
テイクオフ後に、波が掘れて来たのでボトムターンをしてトップへとボードを持っていく。ギュイーンとするしなり・スピード感でボードの伸びが素晴らしい。そして軽めのトップターン。

少し走ったら、波がたるめになって来たので、カットバックをする。スピードが落ちないスムーズなカットバックだ。 ビーチブレイクらしく、ここでのサイズはもう腰くらいになってしまったが、波の変化の対応もバッチリな感じだった。
最後は波がクローズするので、当て込みをしてフィニッシュ。波が大きくても使えるんだ〜と感心してしまった。 波が大きめな時でもきちっとホールドする。一発でこのボードの対応が頭くらいでも可能だと分かった。何度か乗ったも同じフィーリングを得られたが、その中でもある程度この波でのボードの良し・悪しも感じられた。
いい感じのボードなのだが、波が大きな場合だとツインフィンセットアップだと、いかんせんボトムでためて、トップでのターンを繰り出すというトップToボトムのサーフィンだと、テールが若干ルースなようだ。小さな波だと、フェイスが浅いので気にならなかったのだが、さすがにボトムターンをしてどこにボードを持っていこうか考えられるくらいのサイズがあると、ボトムでターンをする際に気をつけないとスピンアウトもありうるだろう。
Bufoは余裕でいい波に乗っている。5回くらいターンを出来る波もあり、彼はこの波の状況でも楽しんでいるようだ。
Bufoに声を掛けて、
”ねー俺のボードツインフィンだから、君のクワッドフィンセットアップのボードを貸してくれよ“
と頼んでQuadのBoogie Fishを借りてみる。
さて、Quadについての印象だが、ツインフィンタイプのボードよりも明らかに波のボトムでのホールドが増した。今日のコンデションだと、ツインではスピンアウトしそうな局面でも、安定したテールエリアのホールドを見せ、きっちりとボトムターンもためられる。非常に乗りやすく安定した挙動だった。
かと言って動きも十分。ターンでためて、ふわっと力を抜くと軽くボードがターンもするし、トップでのえぐる様なパワーターンでもテールがキッチリとホールドして抜群のターン性能を見せてくれた。
そういった意味で、皆さんには是非4フィンセットアップでクワッドでテールのバイト(いわゆる食いつき)を強めて欲しい。ツインは波が膝〜胸くらいで活躍するが、頭サイズだったらクワッドのほうが僕は良いと思う。
クワッドフィンセットアップにしておけば、ツインフィンでも乗れるし、ボードにホールドが欲しい場合はクワッドにすれば良いのだ。マルチに使えるので、このボードをカスタムする際には是非クワッドフィンセットアップにして欲しい。
ちなみにシェィパーのBufoはドイツ人で、ヨーロッパのトップシェィパーやモーリス・コールなどからシェイプ理論を教わり、PU(ポリ)ボードの限界に気づいていた数少ないエンジニア。
Hydro Flexの今の構造も、植物の茎の構造をヒントに作り出したという業界でも稀有な理論派・知性派シェィパーだ。
彼は、すべてのシェイプにコンピューターCADを使いデザインのあいまさを限りなく少なくするシェィパーで、その正確なシェイプには定評がある。 今はカリフォルニアにHydro Flexのファクトリーを作り、多くのアメリカのトップシェィパーからもHydro Flexの作製オーダーを受けるようになった。
Hydro Flexで皆さんが気になる空気圧なのだが、多くの人は低め(3pci以下)が気に入ると考える。空気を入れすぎると、日本の平均的な海のコンデションではボードが硬くなりすぎるのだ。全く空気が入っていない状態でも乗れるという人も多いが、専門家に言わせればちょっぴりとでも入れておいたほうが良い。空気弁を押して、少しだけ“シュー”と空気が出れば良いのだ。 空気調整バージョンでは、調整やメインテナンスの必要があるが、それが面倒であれば新しいHydro Flex Natural(空気調整機能無し)がおススメ。乗り味は若干空気調整バージョンよりもしっとりとする。

Boogie Fish。テイクオフ早く、そして乗ってから非常に軽いボード。誰もサーフィンをしたくないようなどんなに小さな波でもサーフィンが出来るその走り・スピード能力と、いざとなったら胸・肩・頭でも大丈夫な対応幅を見せる傑作デザイン。
レトロチックな動きは一切無い。最高のセカンドボード、またはラウンドノーズが好きな人ならばメインボードとして貴方の心を必ずや満足させてくれるはずだ。