◇カリフォルニアスタイルの新しいクワッド"XTR Four"
カリフォルニアのみならず、全世界でその魅力でサーファーを虜にしている、クワッド(4フィン)サーフボード。一時の流行とも思ったけど、今もなおビーチで様々なタイプのクワッドサーフボードを見る 。だから、クワッドボードはただの流行廃りでなく、もうサーファーのひとつのクイーバーのスタンダードとなっているようだ。特にここカリフォルニアのビーチでは、そのことをヒシヒシと感じる。
クワッドといっても、レトロスタイルのツインフィンのクワッドから、オールラウンドのクワッド、そしてビックウエーブにも対応するガンのクワッドがある。Pulse XTR For Japanの隠れメニューで、レトロスタイルのクワッドもあるのだけど、今回のインプレでは、すべての人が持つべきクワッドであろう、オールラウンドに使えるクワッドを紹介しよう。
Pulse XTR For Japanのクワッドは"XTR Four"という名前。カリフォルニアでも、FF-J系と同じように人気が高く、ハイパフォーマンスが出せるネオクワッドである。
ネオクワッドという言葉は聴き慣れたものになっているかもしれないが、これはいわゆるレトロスタイルのクワッドと区別するために使われる言葉。レトロスタイルのクワッドは、グラインド、いわゆるゆったりとクルーズをするボードで、スピード感を楽しみながら、スタイルを重視した波乗りをするボード。これはこれで、とても格好の良いサーフィンだが、中にはもっとアグレッシブに動きを出した(例えばエアーなど)乗り味を出したいと思っているサーファーがいる。
そういったサーファー向けに動きを出せるようにしているのが、新しいネオクワッドなのだ。
このPulse XTRのネオクワッドプロジェクトは、実はかなり前から継続的に実験されていて、シェイパーのハビアーは5フィンボックスバージョンも6年前にやっていた らしい。写真も見せてくれて、さすがは革新的な素材を扱うシェイパーだけに、ボードへの考え方も進んでいる 。年々このXTR
Fourはチューンを加えていて、ハビアーやチームライダーらもフィードバックをかなりしてきているので、初代のバージョンとは結構乗り味・フィーリングが異なるらしい。基本的なラインは同じらしいが、パフォーマンスを上げる工夫が様々に入れてあるのだ。
◇マルチフィンボックス(5フィンボックス)は絶対のお勧め。
今回のサイズは5'8"-18 3/4-2 3/16 XTR5.C ムーンテール。自分としては、結構絞っているサイズにしてみた。幅も19インチは出さないで、18インチ台で抑えたところもミソ。かっこいいと思われる2本のピンラインも入れてみた。
ちなみにフィンはFCSの5フィンボックス。なぜ5フィンボックスにしたかというと、やっぱりスラスター(3フィン)で乗りたい時もあるし、状況によってはクワッドよりスラスターのほうが活躍する時もある。
4フィンのサーフボードはセンターフィンが無く、その分ドラッグ(抵抗)が少なくなるので明らかにスラスターよりスピードを感じる 。また、ポイントブレイクやとろくて長いビーチブレイクなどではクワッドは素晴らしい乗り味が味わえる。以前リンコンで、すさまじいクワッドの扱い手がいたのだが、最初クワッドボードと知らなかった俺は、後からそのサーファーにボードを見せてもらった時にびっくりした。
クワッドはテールのドラックが少ない。それは明らか。そのかわりといっては何だが、センターフィンがくっついていないので、テールがホールドしない状況 も出てくる。クワッドは横に走る力は強くて、スラスターは上下にコントロールしやすいのだ。また、自分が乗っている感想だとクワッドは多少バックサイドがやりずらい。これは、ターンをする際に、ボードに体重をかける際のフロントサイドとバックサイドの違いからだろうと考えられる。
ただ、上の記述はあくまでも違い。どちらが良い悪いでない。スラスターはスラスターの良いところがあり、クワッドにはクワッドの優れたところがある。もしもクワッドを試したことが無い人は、是非クワッドを試してみてほしい。フィンの違いが、これほどサーフボードの乗り味に変化を生み出すので、あっと驚くはずだ。試してみれば、きっと新しいサーフィンの可能性が広がるはず。
◇2008年のXTR Fourの洗練度
さてさて、そんなこんなでオーダーして3ヶ月でボードが出来上がってきた。ワクワクしながらボードを取りに行くと、そこにはかっこいいXTR Fourが。いつもながらこの瞬間が好きだ。サーファーだからこそわかる、ニューボードの楽しみ。このボードは今回どんな乗り味なのだろう?どのように自分のサーフィンを高めてくれるだろうか?などなど様々な感情が頭をよぎる。
ボードをまずは脇に抱えてみる。そして、まずは全体のロッカーをチェック。ボードチェックはいろいろやり方があるのだが、通常は一番簡単なレールから触る人が多いのだろう。だが、プロのシェイパーを見ていると必ずしもそうでもない。レールはもちろん大切な要素の一つだけど、今まで付き合ってきたプロシェイパーは特にロッカーと全体のアウトライン、そしてコンケーブをまずは見ている 。だから俺も、見よう見まねでプロのようにしてみている。そりゃプロじゃないけど、まずは一流から学ぶことが必要だから、同じようにしているんだ。
ロッカーを見ると、結構このFourはロッカーが弱め。ノーズもテールも、ロッカーはそれほど付いていない。プレーニングエリアが多くて、早いサーフボードになりそうだ。コンケーブを今度はテールよりから見てみる。薄めに入っているシングルから薄めのVEEに抜けている。アウトラインはどうだ?よく見ると、結構後ろよりに広さ(ワイデストポイント)を持ってきている。そして最後にレールフォイルをチェック。レールは厚くも無い、それほど薄くも無い。だけど、俺が持っていボードのレールの中では、10中6といったところ。
"これは以前のバージョンと違うぞ!"という意見がまず俺の頭に浮かんだ。
◇コンデションが整わない状況でも、軽く・スピードあふれる乗り味
そんなこんなで、ついにテストの日がやってきた。デッキパットはピンラインの色に合わせて、レッド×ブラック。XTR開発の新しい軽量トラクションパット だ。このパット、軽くてしかもテールブロック付近に工夫がしてある。テールブロックは狭いのだが、これはテールブロックが広すぎて、ターンをした際に抵抗がすごくあるというプロの意見を取り入れた工夫。テールブロックを広くしたい人は、パットの左右のパーツが調整できるから、それで広めにも出来る。もう一つは、とっても軽量であること。持ってみて実感できる、スーパー軽量パットだ。パットを付けてみると、いい感じなカラーリングになっている。"格好が良い"という印象を受ける。
当日のコンデションは、それほど良くない腰〜胸ほどのサイズ。ちょっぴりオンショアが入っているけど、面はそれほど悪くない。いたるところで、波がポップするようなコンデションであった。外から見ると、あんまり良くないコンデションだな〜と思うだろう。
ワックスをアップをしてみる。素材の白さが際立つ 。新しいXTR18の樹脂のおかげだろう。ワックスを塗った場所が、黄色く見えるくらいだから相当白いのだろう。Jody
SmithがXTRボードで優勝した、あの昨年のコールドウオータークラッシックの時にも樹脂テストで使って、そして今年のGold CoastでSofiaが優勝した時もこの樹脂を使っていたプレミアム樹脂。もちろん、For
JapanはPulse、AKA、SBもこの樹脂を使っている。分子の結合が強くて、そして白い、しなりもXTRエポキシサーフボードに最適にしてある最新バージョンで、アメリカのエポキシプロでしか手に入らない 。
さて、話をサーフボードテストに戻そう。
ワックスを塗っ後に、早速パドルアウト。パドルをしてみると、今までの乗ってきたサーフボードより短めに感じる。5'8”の長さだからかな?でも、パドルは軽快で良い感触だ。どのインプレにも書いているかもしれないけど、このパドルの軽快さはボードの性能で重要。プロでパドルが強い人は別として、一般サーファーだったらパドルは早いことに越したことは無い。特に、流れの強い場所や、長距離を乗れる場所であればなおさらだろう。
ピークで波を待っていると、早速最初の一発目が入ってきた。これはサーフボードの性能とは全く関係ないことだけど、最近は特にアップスでスピードをつける際に、こだわりを持とうと思っている。俺にとって、最高のお手本は以下のSurflineのビデオクリップ。
このミックファニングの、アップスでのスピードのつけ方を見ると、彼の身体能力の高さ、そしてスピーディーさ(アジリティー) が伺える。以前Lowersで、俺が波に乗って、あるプロサーファーに前乗りをされた(といっても彼は気が付いていないだろうけど)時に、その前を走る彼の動きに感心したものだ。なにせ、そのセクションを抜ける際の体の上下運動が早くて、そして躍動感あふれる ものだった。その動きを見ながら、自分のアップスと比較したら全く別物。そりゃあ、ある大手クロージングカンパニーのライダーだから、うまいのは当たり前だけど、後ろから見ていて"ああ、そうやってスピードをつけると良いのだね”と参考になったのだ。
その動きを見た後日に、上にあるミックファニングのクリップを見たら同じような感じでスピードをつけているようだったので、その日以降、アップスの際はそれを真似しようとしている。当たり前だけど、プロのすごいところはアップスをして抜けないとまずい(つまりかなり前まで波が崩れそうで、走り抜けないとならない所)ところは、ボードをプッシュして、そしてボードを上下させてスピードをつける。当て込みが出来る場所では、ボトムでためて、そしてトップでアクションをするその能力。スピードをつける際に、前足だけをフンフンとプッシュするスタイルでなく、体全体でボードをプッシュしているようなその動きは感銘に値する。しかも、波を知っているからアップスで走りすぎず、そして当て込みをする場所では確実にボトムに降りてターンをする。
体全体でスピードをつけるには、体勢も大事。ミックはまさに、皆の最高のお手本だと言える。キーポイントは、スピードをつける際にも前足だけを使ってスピードをつけないこと 。もちろん、フラットなセクションでは前足でボードの前側をプッシュする必要がある。だけど、この前足と同様に後ろ足も重要なのだ。前足だけで、スピードをつけるサーファーは、コントロールが出来ない。スピードが付いてきて、今度は当て込める場所が現れたらすぐに対応できるように、常に後ろ足、つまり両足でのボードのコントロールが必要なのだ。
この後ろ足の使いは、非常に重要である。うまい人のDVDを撮影したものを見てみると良い。後ろ足をかなり意識しているはずだ。顕著にわかる例は、CJホブグット&ダミアンホブグットのバックサイターンド。彼らのボトムターンの際の、後ろ足の使い方は並でない。明らかに、ターンをする際に後ろ足を内側に入れているのがわかるだろう。
こういった細かい文章を書いていると、”君はそれほどサーフィンがうまいのか?”とつっこまれそうだ。だけど、俺はそれほどサーフィンがうまいわけではない。カリフォルニアでも、プロの凄さを日々横目で見ていて、それは自分が成し遂げられるレベルでないことも十分わかっている。だけど、何かを目指すときは10をやろうとして、やっと2〜3できるくらいだ。目標は高く持ったほうが良い 。実現できるか、出来ないかは2の次だ。低いレベルを目指して頑張っていても、成し遂げることなんかほんの少し くらいしかないだろう。サーフィンの技術はまだまだ未熟だが、いつもうまくなりたいと思って海に入っているので、うまい人の動きはいつも気になる。
さて、波にまずはテイクオフ。"早いな”というのが、まずは最初の感想。アップスをして、スピードをつける。ここで気が付いたのは、ボードのテールが案外ルースなこと。そして、ボードがとてもよく反応するということだ。ただそのために、あまりに極端なサイジングをし多ボードで、後ろ足でしっかりとコントロールできないと、ボードを押さえつけられないサーファーもいるだろう。5'8"は通常俺が使っているボードサイズより4インチ短いので、ボードを安定させたい人は2インチくらいだけ短くしても良い。また、幅もほんの少し狭くしたので、安定させるには幅広をお勧めする。テイクオフして、スピードをつけようとする際に、自分は前足を意識を重点にさせるという人も、多少ボードを安定させる必要がある。
逆に、テイクオフして、すぐにボードコントロールをする際に後ろ足を意識できる人は、3〜4インチくらい短め にしても大丈夫。というより、短めにしたほうが良い。きちんと後ろ足の膝を前側に入れて、体重を前にかけられる人も同じく短い設定でも良い。
◇優れたスピード性能と、繊細な動き
テイクオフして、波を見るとそれなりに走る場所がありそうだ。アップスで、先ほどのビデオのファニングの動きを頭にイメージしながらスピードをつける。そしたら、多少なりともボトムを使って、トップに当て込める場所が出てきた。"チャンスだ"と思い、ボトムに降りて、グーンとターンをする。トップはリッピングをするよりも、トップでターンしてねじりこむ様にリエントリーをする波だったから、トップで板をターンさせてリエントリー。そしてボトムに降りる。そうしたら、また波が掘れてきて走る場所が出てきた。その掘れている場所を、アップスで抜けていく。いい体勢をとるために、自分の体の動きに気をつけながら走っていくと最後のセクションが。フローターで逃げるのは簡単そうだったけど、リップが崩れる場所でエアーを試みてみる。ボードがポーンと上がるが、ボードをポップさせる際に体が離れてしまって"着地は絶対失敗する"と思いながら、どうにか着地を試みた。
でもやっぱり、着地の際に態勢を崩して、最後まではエアーは完成させることは出来なかった。どうも、俺はこのエアーの際の最初の体勢が良くないようだ。前足をうまくひきつけられたり、ボードをグラブできたりすると成功するけど、まだまだまるでイカン。。。練習あるのみですね。あのネイザン・フレッチャーがある雑誌の中で"エアーは簡単だ。足をロックして、目を閉じればよい”なんて言っていたっけ。そいいった状態になるまで、彼は何千回とエアーの練習をしたんだろう。。。
最後の技は失敗してしまったけど、最初のライドでこのボードの素晴らしさがいきなり体感できた。"このボードはイイ!"と自信を持って言える。
次に乗った波は、グーフィーの波。この波に乗った後に、ちょっとだけこのボードの個性を感じた。先ほども言ったけど、グーフィーだとさらに感じるテールのルースさ。かなりルースな感じで、そういったフィーリングが好きな人にはたまらないだろう。かといって、波においていかれるような事は無く、しっかりとコントロールしてスーパースピードでセクションも抜けてくれた。そして、ボトムターンをして、トップに当て込み。その後ボトムに降りて、波がトロくなったので、カットバックをする。バックサイドのカットバック。バックサイドのカットバックやトップターンでも、確実にホワイトウオーターに戻ることを意識。これも、練習練習。
何本か乗っていると、隣のサーファーが話しかけてきた。俺のボードが調子良さそうだと言った後に、
"それ、誰がシェイプしているの?”
と聞いてきた。
"ハビアーだよ”
と言うと、
”ああ、俺そのシェイパー知っているよ。オーシャンサイドのシェイパーだろ?俺の友人のジェームスがそのシェイパーからオーダーしてるんだ"
"そーなんだ〜。"
"俺のこのボード、ゼンゼン調子良くないんだ。ロッカーが強すぎるんだよ。今日みたいな、カリフォルニアの平均的な波にはちょっとあわねー”
と言って、俺のボードを触らせて、見せたら、彼はもうオーダーする気満々。明日に、ハビアーの所に行くそうだ(その後、海に上がってすぐにハビアーに電話してこの話をしたら、喜んでいたっけ)。
2本目は、またレギュラーの波。早い波だ。テイクオフして、すぐに波が切り立ってきた。”こりゃまずい!抜けられない。”と思った波だったけど、ウルトラスピードで波を抜けていく。そして、リップができる場所がでてきて、トップアクション。トップアクションも切れがあってこれは満足満足。そしてすぐに波が崩れそうだったので、ローラーコースターでフィニッシュ。
3本目は、グーフィー。このグーフィーについて、クワッドの性格を正直に述べよう。グーフィーはレギュラーほど、縦へアプローチするとう点ではクワッドはマッチしないと思う。マーケティングの観点からすると、”良くない”とは言いたくないが、特ににバックサイド縦のアプローチであれば、スラスター(3フィン)のほうが俺は好きだ。そしてそう思っているサーファーも数多くいると、個人的には考えている。別に縦に当てることができないと言っているのではなく、十分当て込みもできるけど、あくまでもスラスターとの比較。バックサイドでも、クワッドのスピードは健在なので、そこらへんは誤解しないで欲しい。クワッドのバックサイドアプローチは、どっちかというと、横乗りアプローチのほうが良いかといった感じ。
ただ、クワッドでも、タイトに回そうとすると、スピンアウトしてしまうデザインもあるようだが、このFourはそうでない。スラスターよりも、ほんの少しだけ意識して回せば、タイトなセクションでもスピンアウトは皆無だ。最後のセクションは、軽くローラーコースター。
ただ、テールがルースなことには変わりが無い。だからこそ、このFourを5フィンボックスにして、対応の範囲を広めることをこのボードに関してはお勧めしている。ボードは全体的にはグットフィーリング 。この日は、それほどコンデションが整わなかったけど、大満足。
◇スラスターでも十分楽しめる懐の深さ
さて、次のテストは、典型的なビーチブレイク。今日は風も弱く、まあ普通のコンデション。腰〜胸くらいで、レギュラーは短く、グーフィーは早い波。この場所で、こういった状況だと、南のスエルと、北のスエルが重なっていて、なおかつ南スエルのほうがほんの少しだけ強い状況なのだろうと予想ができる。今日は、気分を変えてスラスター(3フィン)にてテスト。
スラスター(3フィン)は、クワッド(4フィン)とは異なるフィーリングが出ることは明らかで、これはこれでとても楽しみだ。波をチェックした後に、パーキングを探していると朝6時30分でももう満車状態。今日はアメリカの独立記念日。人がごったがえしている。また、夜に花火が近くであるらしいから、朝から見晴らしの良いビーチエリアで場所取りをしている人もいるのだろう。しょうがないから、かなり遠くのパーキングから歩くことにした。レストランや売店の前を歩いたりするので違和感があるが、歩くことは良いウオーミングアップになる。
そして砂浜について、早速準備体操。俺は準備体操を絶対にかかさない。小さいころからスポーツをずっとやっていたので、運動前にストレッチやヨガをすることに慣れてしまっているのだろう。先生に良く、準備体操の重要性を教わったっけ。そんなんだから、逆に準備運動をしないと心配になる。せっかく海に入るならば、うまくなりたいし、体も万全の用意でサーフィンに望みたい 。怪我の防止にもなる。準備体操をあまりやっていない人は、是非試してほしい。体のキレの違いが感じられることだろう。
波をチェックして、人があまりいないピークにパドルアウト。多少ぽよぽよしているが、走る場所はある。波待ちしていて、早速1本目が入ってきた。まずは、レギュラーの波だ。軽快なテイクオフをクリアすると、波がWalled
Up(切り立っているということ)してきた。リップアクションをするチャンスだ。ボトムに降りて、後ろ足の膝を意識しながらターンをする。ターンの際に、軽く右手(筆者はレギュラーフッターです)が水に触る。素晴らしいボトムターンの感覚だ。ボトムターンは、うまく出来るターンの時と、うまく出来ないターンの時があるが、もうボトムターンに入る前の体勢やポジションでほとんど決まってくる。今回のターンはうまくいくパターンに持っていけた。
トップにボードを持って行くと波のタイプは、リップ系でないことが判明。つまり波が崩れるタイプでなく、多少はリエントリーを出来るスペースがある波のタイプ。だから、板を180度回転させるために、トップでターンをする。ギュルギュルとした、スピーディーな感触でスピードをロスすることが無くターンが出来た。トップでターンして、ホワイトウオーターが反対側に見えたので、そこに板を持っていて、また板を波の進行方向へと調整する。ホワイトウオーターに確実に当てて、そして次の技に持っていく準備をする。そしたら、波がまた掘れてきた。トップでターンをできるスペースがある波だったから、これもリエントリー。
ちょっとだけ角度がきつい波だったので、思いっきりタイトにボードを回転させる。スピードをロスすること無く、タイトなターンをしたが、ほんのちょっとだけテールがルースに感じで、スライド気味にリエントリー。スピンアウトはしなかったので、それだけは付け加えておこう。クワッドだけど、ああ、スラスターでも結構乗れちゃうのだな と思わせたこのFourであったのだ。
◇XTR素材独自のスピードフレックス
XTR素材は、なぜ素晴らしいか?これは、スピード性能に尽きる 。あのJody Smithがあそこまで、XTR素材のボードを膝〜頭+の波で愛するかも、なんとなく理解できる。彼の得意ボードは、あるXTRのスワローテール。力の無い波だと、スピードが命。スピードが出ないサーフボードは、セクションにもすぐにつかまってしまうし、技の切れ味も無い。特に、平均的なコンデションでは、スピードを如何に出していけるかがキーポイントだ。
俺はPUボードも持っている。PUはPUで良い所もあるし、PUが悪いとも思わない。PUにはPUのやさしい乗り味や、納期も早いという利点もある。だけど、XTRの慣れてしまうと、一般サーファーの俺は、どうしてもXTRを選ぶ。XTRのほうがボードの反応が明らかに早いのだ。特にテイクオフの後に、最初にスピードを付ける際にその違いが顕著に感じられる。たぶん秒数にすれば、ボードスピードを最適にするラグタイムの大きな差は無いのだろう。秒数に換算すれば、コンマの世界。だけどそのコンマ0.何秒かが特にショートボードの場合は、大きな意味を持つ。PUボードだと抜けられないセクションも、XTRだと抜けられてしまうのだ。
プロサーファーは、ボードをプッシュしてスピードを付けるのがとてもうまい。PUボードだって、体も切れているプロは、難なくセクションも越えていく。また、あのPUの独特の反応が好きというプロもいるだろう。だけど、プロのようにスピードを付けることが出来ない一般サーファーにとってXTR素材のスピードは恐ろしく優秀な相棒になるのだ。スピードを付けるのがうまいプロサーファー、たとえばJodyやTylor、Sofiaだって、XTRに乗っているくらいだからその素材の優秀さは一般サーファーだけにとどまらず、プロも魅了しているだろう。
ある超一流メーカーでシェイプをしていて、世界のトッププロ達にボードを供給していシェイパーと話したことがある。世界チャンピオンにもボードを供給する彼も"サーフィンのキーポイントはスピード ”と言っていた。プロの世界でさえそうであろうから、一般のサーファーならなおさらスピード性能が高いボードは重宝するだろう。XTR
For Japanのボードに乗ったことが無い人は、是非試してほしい。そのXTRの素晴らしさを体で感じること間違いなしだ。
◇特にトロメ早い波・厚い波・ゆったりと崩れる波・小さめの波では、スラスターを凌ぐ性能
5フィンボックスを搭載しているので、クワッドだけにとどまらない性能が味わえるが、クワッドとしてデザインされているので、このボードをクワッドとして、評価してみよう。
インプレをお読みになってわかるかもしれないが、このサーフボードの良さは、スピードのノリと、軽快な動き 。まさにそれに尽きる。スピードを生かして、クローズアウトセクションでエアーなんて技は、Fourの得意分野だ。
しかも、ノーズ(エントリー)ロッカーが弱いので、テイクオフがすこぶる早い 。トロッ早い波でも、超高速で抜けていく。
ユーザーの方々からも、”一度は絶対に試すべきシェイプ”と評価をいただいていて、乗ってみると新しいサーフィンの楽しさがきっと発見できる。クワッド初心者えも、扱える、そしていざっていう時は、スラスターにもできるので、持っていれば、乗り手のサーフィンを新しい次元に連れていってくれるはず。それほど、お勧めボードである。
*その後・・・・
カリフォルニアでの好印象の後に、日本のビーチブレイクでもこのXTR Fourに乗ってみた。当日は、膝から腰。セットで腹サイズ。日本のビーチブレイクにありがちな、トロ早めのブレイクだった。
通常のポイントノーズの細いボードでは、辛い感じのブレイクだったが、このボードはとても良く活躍してくれた。乗っていて、他のサーファーが使っているボードよりアドバンテージも感じさせてくれたのだ。
いつも俺がボードが調子良いと感じる
”このボードだから、サーフィンが上手く出来る・楽しめる”
という思いを持ちながらサーフィンできた。
特に印象的だったのは
テイクオフしてからの走り出し良さ
走り出した後の、スピードに乗った時のトップスピードの速さ
ラウンドノーズ系とは違うノーズ付近の軽さ
抜けられないと思うセクションも越えていく、その走破性能
クワッドであるから横の動きが強いのだが、それでも縦へも持っていけるその機動性
だ。ちょっとでも波が掘れて早いセクションだと、ボードのスピードのノリの良さがさらに強調されて、乗っていて爽快感もあるサーフボードデザインという印象を強く受けた。
このボードのサイズを取る時は、短め・幅広。このタイプのボードは、それが世界のトレンドで、このFourも例に漏れずその流れのデザインを汲む。
このXTR Fourは日本でもとても評判が良く、ある日本のお客様も、
”トロはやいあのブレイクではスペシャルな性能”
”トップスピードでの走りの素晴らしさ”
”今までリップが出来なかったのに、出来るようなった”
などなど、数々のグットインプレッションをいただいているボードだけに、私のインプレッションもあながち的外れでもないのだろう。
クワッドを試したこと無い人=是非1度カリフォルニアスタイルのクワッドのスピードを体感して欲しい
今持っているクワッドの取り回しが重い人=クワッドは軽いフィーリングで乗れるということを味わって欲しい。
というのが、俺の素直な感想。XTRサーフボードジャパンもお奨めのマルチクワッドだ。