テイクオフ・走り出しの良さと、パフォーマンス
:長い間、きっとあなたの良き相棒になってくれる性能

“クワッドは横に走る力が強過ぎて、あまり縦へのコントロールが効かないな“とか”小さめの波だけを対象にしているのが多いので、頭半くらいの波でも対応させたいなんて思っている人多いと思う。
今回は、そんな方への新しいコンセプトボードのインプレッションを紹介しよう。
ボードの名前は”Quattro-X:クワトロエックス“
このボードは、今までのネオクワッドの動きを新しい方向に洗練。スピードとコントロール性を高次元で融合した、新しいタイプのボードだ。
クワッドのXTRサーフボードラインのスタンダードは、今までXTR Fourだけだった。もちろん、皆さんも知っているように、Fourはとても優れたボード。
特にサイズが小さい時とか、トロトロの波には活躍をする。一瞬で最大のスピードが引き出せて、レールToレールターンがイージー。ボードには、薄いシングルコンケーブが入っていてロッカーが弱めのボードだ。
でもまた違ったコンセプトのボードも欲しかった。だから、JavierにFourとは違ったコンセプトを伝えて、ボードをシェイプしてもらったのがこのボードの始まりだ。
まずは、デザインとその対応の波について紹介しよう。
新しいXTRのQuattro-Xは、XTR Fourとは少しデザインのコンセプトが違う。Fourは力の少ない波でも走りをイージー(簡単)にひねりだせるような、弱めのエントリーロッカーとアウトライン。特にテイクオフは、エントリーロッカーを落としてあるのでかなり早い。そして、4フィンとの組み合わせにより、一気にトップスピードに乗ることが可能なサーフボードだ。

それに対して、Quattro-Xはすこし掘れた波などに対応させるようにデザインしてあり、FourのレールToレールの入れやすさに対して、タメを入れた深いターンを重視した。もちろんQuattro-Xは小波とか厚めの波に使える(実際使ってテストもしていますので、安心してください)し、Pulse XTRの中でも走り出しがとても早く、テイクオフ早め。

ただし、ももサイズ以下の波だとXTR Fourよりテイクオフは劣る。その反面、ちょと掘れている早目の波とか、頭以上の波ではFourより上。そんな波にあわせると、Quattro-Xは驚くべき動きと、操作性のタッチの軽さを味あわせてくれる。
皆をがっかりさせる気は無いのだけど、物理的な限界もあるので、1つのサーフボードで、どんな状況にも対応できる万能なボードは無いと思っている。確かに、どんなサーフボードもそれなりにあらゆる状況で使えるのだが、それでもあの波だったらあのボード、この波だったらこのボードというデザインが必ずあるのだ。

つまり、ある状況で最高に活躍させるようにデザインさせると、ある状況ではあまり機能しなくなる。性能を平均化して、どんな状況でも70点のボードをということも出来るだろうが、性能は100%にはならないだろう。
Quattro-Xのコンケーブはというと、シングル。パフォーマンスボードには、必ずシングルコンケーブをあわせてくるJavier得意の深いタイプのコンケーブ。胸の辺りから薄めにシングルを入れて、足の間のコンケーブはかなり深め。そしてサイドフィンあたりからコンケーブは緩くなって、テールでフラット気味に抜ける。
ノーズの幅は意外と広くなくて、パフォーマンスボードをちょっとだけ広くしてあるだけ。そのために、ボードを回す時にノーズエリアが軽く感じられて、トップアクションでクイックに動くように設定。テール幅は、センターからサイドフィンのあたりまで厚め、そして広めに取りながらも、テールロッカーとの抜群のバランスによってテールの操作感も上々。
なによりも、フィンの角度とその場所を今までのクワッドとは違うシークレットセットアップなので、そのフィンがホールドを高めつつ、そしてルース性も出すと言う優れものだ。前のフィンと後ろのフィンの開き具合も違うのが見てわかる。
最初はただ単に、Fourとは違ったタイプのサーフボードをシェイプして欲しくて、軽い気持ちでオーダーしたボード。だけど、今となっては、マジックボードになってしまって手放せなくなってしまった。
さて、最初にこのクワッドをテストしたのは、自分の家の近くのビーチブレイク。サイズは腰くらい。意外と早めに割れる波で、緩い風が吹いている日だった。
クワッドにワックスアップをして、早速パドルアウトを試みる。まず俺がとても大切にしているパドルの感触はどうか?
これは、もうばっちりと浮力とパドル感があっている。浮力はあるんだけど、ノーズのあたりも動きそうなパドルのフィーリング。
“このボードは良い”
ともう半ば確信できるようなパドルだ。パドルの感じは軽視されがちだが、とても大事。この感触が良いボードと、悪いボードは海の中での心地良さが全く違う。

波がブレイクするピークに着き、そして波をじっと待つ。そうしたら、レフト(グーフィー)に走れる波が入ってきた。波に乗るためにパドルをして、波にあわせ、ちょっとパドルに力を入れるだけで
“スーッ”
とボードが走り出す。
心地良いテイクオフ。そしてテイクオフが早い。
このボードは、テイクオフとその後の走り出しがとても早い。この“テイクオフが早く、走り出しの良さ”という特徴は、俺の友人も同じ事を言っていたので間違い無い。

軽快なテイクオフをして、アップを心地良くする。ボードのレールToレールが繊細に出来る。波は、走って走って最後はクローズのようなダンパー気味。だから、アップ&ダウンでスピードをつけて、セクションを高速に抜けていく。
“スピードがとてもつきやすい“
これがまず最初の印象。
セクションを抜けていくと、波がショート(短いこと)なので最後のセクションに。そのセクションでローリングして、最初のライドは終了。アップ&ダウンと、最後のローリングという少ないアクションだったが、いきなり最初の1本で、ボードの良さが分かった。
大満足して2本目を取りに沖に戻る。沖に戻ると、今度はレギュラーに走れる波が入ってきた。さっきと同じくらいのサイズの波だけど、今度はライト方向なので、自分にとってはレギュラーサイドだ。
またまたパドルをして、ボードをスーッと走らせる。ボードが走ると、今度は波が早めだった。掘れ掘れというわけでは無いけど、アップ&ダウンをして、ボードをスピーディーに走らせることが出来そうな波だ。
このボードの素晴らしい特徴である、スピードのつきやすさの早さを生かして、ボードを高速に走らせる。ボードのスピードがとても付きやすくて、いつまでも走っていたい気持ちにさせてくれる。3回くらいアップ&ダウンを繰り返すと、インサイドセクションへ。そこで、また
"バシーン“
とローリングをして、このライドは終了。
“ボードが早い、しかも反応が良くて、スピードがそのまま維持できる”
と体感。
この後も多くの波に乗ったけど、ボードの全体的な感触に大満足。今日の1日のセッションで、ボードのポテンシャルが十分と理解できた。
もちろん、ボードの欠点も無いわけじゃない。欠点というか、このパフォーマンスクワッドの特徴なんだろうけど、小さくて、パワー無くトロトロ〜っと割れてくる波だと面白くない。もちろん乗れることは乗れるけど、エキサイトしないのだ。
どっちかというと、通常は早くて抜けられないようなダンパー気味のコンデションや、小さいけど早い波とかのほうが良い。
この点は腰以上の波だと、多くは解消されるだろうが、もも以下だとトロイ波ではこのボードあまり面白く無いということも念頭において欲しい。ももとかだったら、XTR Fourのほうが活躍するので、弱めの波がメインであれば、Fourを選んで欲しい。
ただ、サーフボードと、波のコンデションがマッチすれば、今まで俺が乗ってきたクワッド(他のメジャーなネオクワッドのデザインも数多く乗ってます)も含めて、俺の感触ではベストなクワッド。今までのクワッドに満足していない人には、試す価値が十分ある。

さて次なるのテストは前回とは違って、波のサイズはアップ。サイズは平均して胸〜肩。セットで頭〜頭半くらいのライトサイドに割れる玉石のポイントブレイク。サイズが大きくてもボードが使えるか試してみたくて、そんなサイズでも試してみた。結果は
 
“Excellent! :素晴らしい”
だった。何が凄かったかはこれから述べるけど、とにかく驚きのサーフボードだった。
最初は、サイズと比較して短いサイズの5'9"×19×2 1/4(サーファーは170cm・63kg)なので、どうかな?と思っていたけど、とりあえず使ってみないことには性能も分からない。ボードは悪いコンデションだけで無く、必ず良いコンデション(つまり幅広いコンデション)でも使ってみないとその真価は分からないので、今日はとても良い機会だ。
ボードにワックスを塗り、いつものグットフィーリングパドルで力強く沖に出る。沖に出ると、かなり質の高いブレイクが割れている。人も多いけど、上手くポジションすれば波も回ってきそうだ。
何本か沖から割れてくる(そしてサーファーが乗ってくる)波を見ながら、自分の波をじっと待つ。そしたら、俺のところにワイド気味に割れてくる頭ちょいプラスくらいの波が入ってきた。頭サイズといっても、ピークだけ頭サイズのような波でなくて、壁が迫ってくるような頭サイズ。グットウエーブだ。
“絶対にこの波に乗る”
と決めて、パドルを全快にする。ボードが前回のビーチでのテストと同じ感覚で
“スー “
と走り出す。とても早いテイクオフと走り出しだった。
波に乗ると、自分の進行方向に壁のようなショルダーが見える。
"アップ&ダウンで、波の上側をキープしてスピードをつけないと抜けられない!”
と思った俺は、細かなレールToレールで、波の上部にボードと体をキープしつつ、そのセクションをスロットル全開で走り抜ける。
まるでターボエンジンが付いたように、スピードを捻り出すボード。ドライビーに、そして操作感も軽くボードが走っていった。
“これは驚き“
俺はサーフボードで一番大切な項目は、”スピード"だと思っている。もちろんスピードだけで、まっすぐにしか走らないボードは好きでないけど、ターンから捻り出せるスピードがすべての技の鍵だ。乗っていてスピードが上手く付かないボードは、自分の体格やスキルがボードにあっていないか、ボードのスピード性能が少ないのだ。
Quattro-X・・・このボードはスピードについてはピカ一。今日みたいな頭サイズで使ってみてもはっきりと分かる。

セクションを走る際に、通常のスラスターとはまたテールのフィーリングがちょっと異なる。それは、クワッドの特徴なのだろう。スラスターよりちょっぴりルース。だけど、ツインより粘りが効く。
そんな乗り味を感じながら、スーパースピードでセクションを抜ける。たぶんボードのスピード性能が高く無いボードは、このセクションは抜けられなかったと思う。しかしQuattro-Xはイージーにその難しいセクションを乗り越えさせてくれた。
そのセクションを抜けると、リップに当て込める場所が出てきた。ボトムに降りて、後ろ足に集中をおきながら、右手を水に軽く触らせる。そして、右手・肩を後ろ側にリリースして、トップへとボードを持っていく。トップ付近で右手・肩を前側にまた戻してきて、リップ上でボードを回転させる。ボードの動きがとても軽く、しかも早い。
 
' "バシュー”
っとスプレーを飛ばしながら、そのままボトムに降りて、またボトムターンをする。すぐにカットバックが出来るセクションがあったので、ショルダーで板をホワイトウオーターへと向ける。

その際に、かなりタイトにボードが曲がってくれた。ただ、このボードだけで無く、クワッドフィンボードの乗り方として、タイトにボードを回す際にはスラスター(3フィン)とは異なる体重移動が必要。このカットバックリエントリーの際には、ターンしている間には丁寧に神経を後ろ足と後ろ足の膝に集中させないとならない。というのは、急激にボードをターンさせると、テールにはセンターフィンが無いためにテールがルースしまってスライドしてしまうのだ。スライドし過ぎると、体勢を崩してワイプアウトしてしまう。
カットバックの最後に、サーフボードをホワイトウオーターに当てると、またショルダーが波に現れて来た。そこでトップにサーフボードを当てて、板を返す。そしてまたボトム、そしてトップへと何度も何度もアクションを繰り返す。
計5回くらいはトップToボトムのターンしたのでは無いだろうか。そしてまたリエントリー気味カットバック、アップス&ダウン、そしてインサイドセクションで波がクローズしてきたので、
“バシッ”
とキレのあるファイナルセクションの技を出す。
この波、信じられないほどインサイドまで続いてくれた。
"ヤバイ、ボードと波が良過ぎる”
波が良い日に自分に調子が悪いボード使うと、せっかくの波も全然楽しめない。“普通波が良い日はサーフィンが楽しい”はずだ。でも楽しめないサーファーがいるとしたら、それはボードが、乗り手にあっていない証拠の一つ。
反対にボードが良くて、それが自分にあっていると、そのサーフセッションの楽しみが倍増するというものだ。
このQuattro-Xは、もう満点近い評価を上げられる満足度を今日のセッションで俺に与えてくれた。
ちなみにこのボード、同じポイント(違う日ですが)で友人に貸したら
“このボード良いですね“
と言ってくれた。俺も、同感。このクワッド素晴らしいと思う。テイクオフも早いし、しかも彼の持っているクワッドより動くそうだ。俺もさっき言ったけど、このクワッドは市場で出ているクワッドの中でもかなり高い位置にいると宣伝抜きで確信している。
素晴らしいクワッドだな・・・と今日のセッションを満喫しながら、家路へと。早速シェイパーのJavierに報告したら、彼も嬉しそうだった。
Quattro-Xは、4フィンも楽しみながら、そして3フィンで時によっては、テールの食いつきと粘り、そして大きな美しいターンを楽しみたい場合は5フィンボックス(FCSボックス×5個)のマルチフィンセットアップももちろん可能。幅広い可能性が引き出せるボードとなった。
これ一つで、膝波から頭半まで、そして3フィンも4フィンもというサーファーにはまさにピッタリとなるQuattro−Xは、新しい4フィンのスタンダード基準を作り出してくれるだろう。
もう、自分のマジックボードとなってしまったこのボードは、いつもサーフィンしに行く時に持ち合わせるボード。皆さんも、今までのクワッドでは満足しなかった人も多いと思う。そんな時は、是非このQuattro-Xを試してもらいたい。
きっと新しいあなたのサーフィンの可能性が開けるはずだ。
【日本でのショートインプレッション】
このお気に入りのQuattro-Xを日本で使ったらどうか?
それが新しい命題なのだが、このボードを使う機会についに恵まれた。
テストの日は、オフショアのクリーンな冬の日。腰サイズで、ファンウエーブだった。
海を見た瞬間、”波がイイ!直ぐにサーフィンしたい”
と思わせるコンデション。
早速ワックスアップして、沖へとパドルアウト。沖への途中も、綺麗な波が次々と割れているのが見える。
沖に出て、じっと波を待つ。そしたら、いきなり自分のところに波が入ってきた。グーフィー方面(レフト方面)の波だ。
まずは、このボードの良い特徴である、テイクオフからの走り出しのチェック。パドルを全開にすると、板がスーッと走り出す。
走り出しの良さとテイクオフの早さは、相変わらず性能。海の中で、
”ロッカーのバランスが最高”
と思わせる瞬間。自分にとっては、ベストの走り出し感で、狙った波はほぼ確実に乗れるという感じなのだ。
浮力が少なかったり、走り出しが遅かったりするボードにありがちな、”ああーあと少し走りが良ければ波に乗れたのに・・・”という感じは皆無だった。
 
テイクオフの後も、ボードがどんどんと走る感じ。ボードをプッシュする度に、ターボーエンジンが付いたように加速する。早い波でも、ホワイトウオーターに捕まる気がしない。
”最高だ”
と感じた。
2本目はレギュラーの波。フェイスはそれほど広いわけではないけど、でもレーシー(早い)な波。アップ&ダウンを繰り返し、スピードをつける。
まさに、サーフィンの醍醐味であるカットビの走りが楽しめる、その喜びのボードデザイン。簡単にスピードが付くので、最後のクローズアウトセクションでは、うまい上級者ならば、確実にエアーができるのだろう。そう思わせるほどの、走りの良さ。
今日は、車に人を待たせていたので、早めに上がらなければならなかったのだけど、もしも時間の制限が無ければ、日暮れぎりぎりまでやっていたに違いない。それほどボードの調子が良く、楽しいサーフィンセッションだった。
ボードは、シングルコンケーブが深めに入るアグレッシブなデザイン。ただ、その走り出しが秀逸なので、テイクオフの早さがある。XTR Fourというクワッドもあるが、このQuattro-Xも是非試してもらいたいボードの一つとなる。
あなたのサーフィンの幅とレベル、そして楽しみを広げてくれるグットデザインボード・・・それがQuattro-X。


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